【データ分析】本当?スター選手に”チャンス”は多いのか!?
皆さん、こんにちは!野球観戦中、こんな言葉、聞いたことありませんか?
「あのスター選手は、なんだかんだでチャンスの場面で打席が回ってくるよな〜」
私も何度か耳にした言葉ですが、本当にそうなのでしょうか?今回は、実際のデータを使って検証してみました!
検証したい仮説
「打撃成績の優れた選手(OPSの高い選手)ほど、得点圏でのチャンスの打席が多い」という仮説を検証します。
調査方法
- 対象:直近3年間(2022, 2023, 2024)で500以上打席に立った打者123名
- 評価指標:OPS(出塁率+長打率)とチャンスの打席割合に相関関係があるか
- チャンス打席の定義:ランナーが二塁以上(得点圏)にいる状態での打席
※代打での打席は算出に含めていません。代打は当然チャンスでの場面が多く、今回の検証には不適切であると判断したためです。
分析結果
では早速、OPS(出塁率+長打率)とチャンス打席割合の関係を見ていきましょう。以下は43選手のデータを抜粋して生成した散布図です。
発見点
OPSとチャンス打席割合の相関係数は 0.1943 でした。
この値は、OPSとチャンス打席割合の間に弱い正の相関があることを示しています。つまり、打撃成績の優れた選手が、わずかながらチャンスでの打席が多い傾向があることが分かりました。
チャンス打席割合の高い選手トップ10
どの選手が最も得点圏での打席機会を多く得ているのか、上位10選手を表にまとめました。
順位 | 選手名 | 球団 | 合計打席数 | 得点圏打席数 | 得点圏打席割合(%) | 平均OPS(3年間) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 佐藤 輝明 | 阪神 | 1,627 | 483 | 29.69 | 0.800 |
2 | 大山 悠輔 | 阪神 | 1,666 | 494 | 29.65 | 0.802 |
3 | S.ノイジー | 阪神 | 633 | 187 | 29.54 | 0.608 |
4 | 森下 翔太 | 阪神 | 754 | 218 | 28.96 | 0.748 |
5 | 甲斐 拓也 | 巨人 | 605 | 173 | 28.65 | 0.597 |
6 | 柳田 悠岐 | ソフトバンク | 1,245 | 356 | 28.60 | 0.832 |
7 | 鈴木 大地 | 楽天 | 983 | 281 | 28.60 | 0.678 |
8 | 太田 光 | 楽天 | 726 | 204 | 28.15 | 0.617 |
9 | R.マクブルーム | 広島 | 564 | 158 | 28.02 | 0.727 |
10 | 浅村 栄斗 | 楽天 | 1,286 | 359 | 27.91 | 0.786 |
※2022-2024年の結果を集計。球団は2025年現在の所属(または最後に所属した球団)を示す。
OPSグループ別の分析
選手をOPSの値でグループ分けして、各グループのチャンス打席割合の平均を見てみましょう。
OPSグループ | 選手数 | 平均チャンス打席割合(%) |
---|---|---|
OPS 0.900以上 | 2 | 26.30 |
OPS 0.800-0.900 | 12 | 25.74 |
OPS 0.700-0.800 | 40 | 24.60 |
OPS 0.700未満 | 69 | 23.81 |
グループ別の分析結果からも、OPSが高いグループほど得点圏打席の割合がわずかに高いことが確認できます。
チーム別の特徴
チャンス打席割合が最も高い選手は阪神の選手が上位を占めていました。佐藤輝明選手(29.69%)、大山悠輔選手(29.65%)、ノイジー選手(29.54%)、森下翔太選手(28.96%)の4選手は全て阪神の選手であり、非常に興味深い結果になりました。
これは近年の阪神におけるチーム戦術(打順の固定)や選手特性(上位打者の高い出塁率)が関係している可能性がありますね。そのため他球団以上に主力打者による得点圏での打席機会が多くなったと思われます。
考察
データを分析した結果、興味深い事実が明らかになりました:
- OPSと得点圏打席割合の間には弱い正の相関(0.1943)があります。
- OPSが高いグループほど、得点圏打席割合も高い傾向があります。
- しかし、その差は大きくなく、OPS 0.900以上のグループ(26.30%)とOPS 0.700未満のグループ(23.81%)の差は約2.5%程度です。
- チームや打順による影響が大きい可能性があります。
なぜOPSの高い選手に得点圏の打席が多いのか?
考えられる要因として以下が挙げられます:
- 優秀な打者は打順の中心(クリーンアップ)に置かれることが多く、その打順は得点圏で打席が回ってくる確率が高い
- 優秀な打者の前の打者も出塁率が高いケースが多い(打線の厚いチームでは連続して優秀な打者が並ぶ)
- 監督が意図的に優秀な打者に得点圏で打席が回るよう打順を調整している
結論
「スター選手にはチャンスで打席が回ってくることが多い」という野球ファンの感覚は、データ上でもわずかながら裏付けられました。しかし、その差は非常に小さく、「圧倒的に多い」とまでは言えません。
むしろ、チャンスでの打席数は、選手個人の打撃能力だけでなく、チーム戦略や打順など、他の要因に大きく左右される可能性が高いと考えられます。
最後に
野球は数字だけでは語れない魅力がありますが、データを用いて検証することで、より深く野球を理解することができます。次回も、データの視点から野球の面白さを探っていきたいと思います!
※この分析はあくまで一例です。打順の違いなど他の要因も考慮した詳細な分析も今後の課題として残されています。